中流階級 middle class 2004 4 4
多くの日本人は、
自分たちは、中流階級であると考えているでしょうが、
やがて、中流階級は、減少し、階級社会となります。
なぜか。
個人の所得には、2つあります。
「給与所得」と「利子所得」です。
まず、「給与所得」について、説明しましょう。
給与所得が減少したことは、誰でも、知っているでしょう。
リストラによって、給料の減少、ボーナスの減少がありました。
しかし、ここで言いたいのは、少子高齢化です。
少子高齢化は、人口減少を招きます。
「少子高齢化→人口減少」
「人口減少→市場の規模が減少する→企業の売上高が減少する→給料が減少する。」
企業の売上高が減少すれば、企業は、リストラしないと生きていけません。
収入が減少すれば、支出を削減する必要があります。
だから、人件費を削るのです。
つまり、給料が減少します。
次に、「利子所得」について、説明しましょう。
ここ数年続く、ゼロ金利状態では、信じられないでしょうが、
20年ぐらい前は、定期預金の金利は、だいたい、5%ぐらいありました。
だから、100万円を、10年間、定期預金にすれば、
10年後には、利子所得が大きなものとなっていることがわかるでしょう。
実際に計算してみてください。
だから、次の年も、節約して、
新たに、100万円を定期預金していくと、どうなるか。
このような努力を10年間続けていけば、
マイホームの頭金には、十分な額となるでしょう。
これで、利子所得の重要さが、わかったでしょうか。
では、なぜ、政府は、ゼロ金利状態を続けているのか。
それは、経営に失敗した企業を、延命させるためです。
こうした企業は、多額の借金があります。
しかしながら、何年も、ゼロ金利状態を続けても、
こうした企業は、経営改善はしないと思います。
なぜならば、こうした企業は、
「いつか景気が、よくなる」と考えて、
口では、経営改革と言うでしょうが、
実態は、「先送り経営」です。
つまり、「看板は経営改革で、中身は先送り」です。
だから、ゼロ金利状態を続けることは、
こうした企業を、単に、延命させるだけです。
日本人は、「貯金民族」です。
ですから、日本において、利子所得は、重要な所得です。
それなのに、ゼロ金利状態を続けるということは、
国民の所得を奪っていることになります。
さて、金利の上昇が、株式市場にとって、マイナスとなるか。
いや、むしろ、プラスとなります。
上記のように、国民所得が増加します。
つまり、消費者の所得が増加します。
特に、金融資産が豊富な高齢者の所得が、増加するでしょう。
(ゼロ金利状態は、貯金で暮らす高齢者に、大きなダメージを与えます)
企業においては、経営改革が終わって、
「攻めの経営」をする企業が多くなりました。
こうした企業は、手元に、現金が豊富にあるケースが増えてきました。
これで、金利が上昇すれば、企業所得も増加します。